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自動倉庫とは?製造・物流現場に自動倉庫を導入するメリット・デメリットを解説! | 東運輸グループ

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2023.06.07

近年、製造・物流業界においてDX化や自動化の進展に伴い、「自動倉庫」の導入が注目されています。この導入は、慢性的な人手不足や高騰する人件費といった問題に直面する製造・物流業界において、安定的な事業継続を考える上で最適なソリューションと期待されています。

 

しかし、自動倉庫の導入には自社の現場に適合するか、どの種類の自動倉庫を選ぶべきか、また導入にはどのようなメリットやデメリットがあるのかといった疑問が生じることも多いでしょう。

 

そこで本記事では、自動倉庫が注目されている背景と導入のメリット・デメリットについて解説します。製造・物流業界の持つ可能性を最大限に引き出すために、ぜひこの記事を参考にしてください。

 

自動倉庫とは?

自動倉庫とは、従来は人手によって管理・運営されていた倉庫内作業を、自動搬送装置や倉庫管理システムを活用して自動化した倉庫を指し、AS/RS(Automated storage and retrieval system)や無人倉庫とも呼ばれています。パレット型自動倉庫やバケット型自動倉庫など、さまざまなタイプの自動倉庫が存在します。

 

自動倉庫では製品をスタッカークレーンなどの機械を使って立体棚に格納します。そのため、縦方向の天井空間を有効活用することができ、従来の方法よりも格納効率を向上させられます。また、倉庫管理システム(WMS)と組み合わせれば、製品情報、入出庫情報、商品のロケーションなど、リアルタイムで在庫情報を管理することができます。自動倉庫の導入により、追跡情報を簡単に管理することができ、トレーサビリティとしても活用できる利点があります。

 

自動倉庫の種類

一言で自動倉庫と言っても、自動倉庫にはいくつか種類が存在します。
ここでは主な4種類の自動倉庫をご紹介します。
・パレット型自動倉庫
・バケット型自動倉庫
・フリーサイズ型自動倉庫
・移動棚型自動倉庫

 

パレット型自動倉庫

パレット型自動倉庫は、製品などをパレットに載せて、高さのある立体自動倉庫の高層ラックに自動v的搬送機を使用して格納する自動倉庫です。この倉庫は、天井の空間を効果的に利用することで格納効率を向上させることができます。また、大きなサイズの荷物の保管にも適しており、出庫後の搬送もフォークリフトを使用してシンプルに行うことができます。

 

バケット型自動倉庫

バケット型自動倉庫は、不定形な製品を定型サイズの収納箱であるバケットに収納し、荷棚に保管する自動倉庫です。このタイプの倉庫は、不定形な荷物や製品の収納に適しており、バケット単位で管理することで、小物類にも柔軟に対応できます。また、立体タイプの場合、バケットを縦積みすることで自動的に入出庫ができるため、操作性もシンプルで手軽に操作することができます。

 

フリーサイズ型自動倉庫

フリーサイズ型自動倉庫は、さまざまな形状やサイズの製品を収納し、ラックに保管する自動倉庫です。このタイプの倉庫では、形や重量に制約されずに異なる大きさや種類の製品を格納することが可能です。そのため、取り扱う商品の種類が多い企業にとって、フリーサイズ型自動倉庫の導入は特に適しています。

 

移動棚型自動倉庫

移動棚型自動倉庫は、棚搬送ロボットを使用して製品を収納する自動倉庫です。このタイプの倉庫では、棚ごとに製品が格納され、制御システムやワンタッチ操作によって簡単に棚を移動させることができます。これにより、フォークリフトの通路を確保し、入出庫や生産順に棚を並べ替えるなどの作業を効率化することができます。棚ごとに荷物を収納することで、スペースの効率化と作業の効率化を同時に実現できる特徴があります。

 

自動倉庫を導入するメリット

近年、倉庫内の労働力確保がますます困難になっている背景があります。そのような状況下で、自動倉庫の導入により、さまざまなメリットを享受することができます。

 

ここでは、具体的に自動倉庫のメリットについて解説していきますので、ぜひご参考にしてください。

 

生産性の向上

従来、人の手で作業を行っていた入出庫作業やピッキング作業などの倉庫内業務を自動化することで、必要人員削減を実現できるとともに既存の従業員の負担を軽減させられたり、安全性の確保を可能にします

 

また、自動化された機械は24時間稼働もできるため、従業員の交代制のシフト組みなどの業務の必要がなくなるのはもちろん、作業進捗が従業員のパフォーマンスに左右されるという心配も軽減できて、総じて生産性の向上を実現できます

 

省スペースの実現

人間が作業する場合、保管スペースとは別に、人やフォークリフトが行き来できるように通路の確保や荷捌きをするスペースが必要になります。しかし、限られた倉庫内スペースの中で、その部分はデットスペースになってしまうため、倉庫内スペースの活用がうまくできないケースが生まれます。

 

その点、自動倉庫を導入すると、デットスペースの活用はもちろんのこと、天井など縦方向にも立体的にスペースを使用できるようになるため、従来の保管方法よりも省スペース化を実現できます

 

業務品質の向上

人間が作業をする場合、作業量が多くなったり、急に欠勤者が出たりすると誤作業などのヒューマンエラーが発生するリスクが高まりますが、倉庫内作業を自動化すれば、作業が属人化されないため、一定のパフォーマンスを出すことができます

 

また、物理的に人の出入りが減ることにより、外からの細菌や虫などの混入リスクも低減できます。

 

自動倉庫を導入するデメリット

自動倉庫の導入には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在することを知っておく必要があります。

 

ここでは、具体的なデメリットについて紹介していきますので、導入検討時に正確に情報整理をしていきましょう。

 

膨大な導入コスト

自動倉庫を導入するうえで、まず初めに考えておきたいデメリットが、膨大な導入コストが発生することです。そのため、資金力が小さい企業や資金を設備投資に回し難い企業にとっては、自動倉庫を導入するうえで最も大きなハードルになることが多いです。

 

導入コストを回収できるまでにどれくらいの期間が必要なのかを今後更なる高騰が懸念される人件費を考慮した上で試算して、検討するのがよいでしょう。また、大掛かりな設備投資が難しい場合、他社の自動倉庫をレンタルするという選択肢もあり得るので、並行して検討してみてください。

 

システム障害・機械トラブルのリスク

自動倉庫を導入すればヒューマンエラーは減らせますが、一方でシステム障害のリスクに備えなければなりません。自動倉庫はシステム制御で成り立っているため、システム障害が発生すると業務の全てが停止してしまう危険性があります。もし丸1日業務がストップしてしまった場合、損害はとても大きなものになってしまうため、事前に運用マニュアルをしっかりと定めておく必要があります。

 

また、システム障害以外にも、機械トラブルが起きてしまうこともあります。ソフト面のみならず、ハード面でのトラブルにも対応できる運用マニュアル整備と機械トラブルが発生した時に充分なサポートを提供してくれる自動倉庫メーカーを選定する必要があります

 

災害時リスク

日々の運用上でのシステム障害や機械トラブルとは別に、大災害が発生した際の備えも検討しておく必要があります。多くの自動倉庫が天井方向に高くなる立体構造のため、地震などの揺れに弱さを抱える特徴があります。そのため、大地震が発生した場合、自動倉庫内の棚が崩れてしまったり、荷崩れした製品が自動搬送機の経路を塞いでしまったりすると入出庫機能が完全に停止してしまうこともあります

 

実際に2011年の東日本大震災の時には、復旧までに数ヶ月を要した自動倉庫も多くあったことを念頭に置いて、自動倉庫機能が止まってしまった時の「逃げ道」を作る必要があります

 

具体的な対策としては、自動搬送機とは別に手動で倉庫内の製品を出荷させられる別ルートを構築しておりたり、メインの自動倉庫とは別にストックポイントを作って在庫を分散管理するなどが考えられます。

 

まとめ

自社が抱える課題やこれからのニーズを熟慮したうえで導入すれば、自動倉庫は生産性や品質向上に繋がる最良のソリューションになり得る有効な選択肢です。人材確保がますます難しくなると予想される時代において、今までと同じ方法の対策だけでは事業を継続していくことが困難な場面もあるでしょう。

 

本記事でご紹介したメリット・デメリットを把握したうえで、自動倉庫導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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