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物流業界が向き合うサステナブルな未来とは? | 東運輸グループ

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2023.02.06

深刻なトラックドライバー不足や働き方改革関連法の上限規制適用に伴う「2024年問題」、他の産業に比べて遅れが目立つDX化、脱炭素社会に向けたCO2削減など、物流業界を取り巻く環境はまだまだ課題が山積している現状があります。

 

そのように厳しい環境下でビジネスを継続させていくうえで、持続的な成長の実現と永続的な経営の実現のために期待されているのが「サステナブル」という概念を物流業界へ取り入れることです。

 

今回は、物流業界が向き合うべき「サステナブル」とは具体的に何を指すのか、どのような課題を解決していくべきなのかを解説していきます。

 

サステナブルとは?

サステナブル(Sustainable)は「持続可能な」を意味する言葉です。「持続可能な社会の実現」に向けてSDGs(エスディージーズ)が採択されるなど、国際社会全体でさまざまな取り組みが行われています。

 

なぜ物流に「サステナブル」が求められるのか?

近年の物流業界の発生している代表的な問題として、「新型コロナで物流クライシス」「海上コンテナ不足による海上輸送の大混乱」「自然災害で物流ライフラインが分断」などが挙げられます。

 

また、2021年に発生したスエズ運河での大型コンテナ船座礁事故により、300隻以上の船舶が滞留してしまい、国際的なサプライチェーンに大きな影響を与えました。物流が大きな機能を担うサプライチェーンでは、その持続可能性が課題になることが多々あります

 

商品を保管し配送することで、消費者の購買活動や企業活動を支える重要な役割を担っている物流業界もコロナ禍によるワークスタイルの変化にともない、現場のワークスタイルの変革が大きな課題となりました。

 

これまでにない環境の変化が押し寄せる今、物流に求められている役割は根底から変化しようとしています。具体的には、商品をただ保管・輸送するだけでなく、周囲の環境や状況の変化に柔軟に対応できる可変性や長期的に持続可能な労働力やアセット、安心安全で環境負荷の少ない物流手段を構築していくことが求められており、正にそれこそが「物流のサステナビリティ」と定義の一つとされています。

サステナブルに欠かせない「SDGs」とは?

引用:外務省「持続可能な開発目標(SDGs)達成に 向けて日本が果たす役割」

 

SDGsは、「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略称であり、サステナブルな社会・世界の実現を目指して2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された国際目標です。

 

この国際目標は、「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されていて、2015年から2030年までの長期的な開発の指針で、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指しています。

 

2030年までの目標達成に向けて、我々は国家、個人、そして企業が一体となり行動していくことが求められています。

 

「サステナブル物流」実現のために物流業界が取り組むべきこととは?

労働人口の減少やドライバー不足、ネット通販の拡大による小口配送の増加、トラック輸送などによるCO2排出など、持続可能な物流インフラを実現するためにはクリアすべき課題が山積しています。

 

サステナブル物流実現のために、物流業界が取り組むべき問題を詳しく確認していきましょう。

物流総合効率化法

引用:国土交通省「物流施設の建築や購入をお考えの皆様へ」

 

流通業務(輸送、保管、荷さばき及び流通加工)の総合化及び効率化の促進を目的に2005年に施行された物流総合効率化法は、「輸送網の集約」「輸配送の共同化」「モーダルシフト」 など、対象となる物流総合効率化事業を推進する事業者に対して、計画の認定や支援措置の実施を推進するものです。

 

その後2016年に同法は改正され、物流分野における労働力不足や荷主や消費者ニーズの高度化・多様化による多頻度小口輸送の進展等に対応するため、「2つ以上の者の連携」による流通業務の省力化及び物資の流通に伴う環境負荷の低減を図るための物流効率化の取組を支援しています。

 

物流総合効率化法の認定を受けることにより、以下の支援制度を受けられます。

・営業倉庫に対する法人税や固定資産税・都市計画税の減免制度

・市街化調整区域に物流施設を建設する場合の開発許可に関する配慮

・モーダルシフト等の取り組みに対する計画策定経費や運行経費等の補助

 

共同配送の実現

たくさんの個々の物流企業がそれぞれ事業を行う物流業界は、ムダやムラが発生しやすいビジネス環境と言えます

 

資源やモノが循環する持続可能な仕組み構築のために、各企業が行う経済活動を複数の企業で協力して実現するという発想の転換が必要です。

 

その代表的な取り組みが、共同で貨物の保管や輸送を行う共同配送となります。ただ、共同配送実現のためには、競合する物流企業同士の連携はもちろん、メーカーなどの荷主や荷主の顧客、それらに付随している関係企業を巻き込んでいく必要があります。共同配送実現は、決して簡単なものではありませんが、それがスタンダードになれば物流作業の効率化が図られ、CO2削減などの環境配慮課題へのアプローチも可能になります。

 

ホワイト物流推進運動

ホワイト物流推進運動とは、物流業界の労働環境の改善を目的とした運動です。2019年3月に国土交通省より公開され、、2022年10月末日時点で1,493社の企業が賛同する動きとなっています。

 

ホワイト物流推進運動の主な目的は、以下の2点です。

・トラック輸送の生産性向上と物流の効率化

・女性や60代以上のドライバーも働きやすい「ホワイト」な労働環境の実現

 

今以上により多くの企業がホワイト物流へ賛同してくれる社会が実現されれば、「荷待ち時間の削減」「荷役作業の負担軽減」の実現され、ドライバー不足の一因となっている長時間労働などの労働環境の改善を通じて、持続可能な物流構造の確立が期待されます。

 

まとめ

サスティナブルな経済活動と聞くと、企業にとって利益にならない負担ばかりがかかる活動と捉える企業も多いのではないかと思います。事実、これまでの仕組みを大きく変える必要もあり、大きな金銭的または労力的な投資が必要な取り組みではあります。

 

しかし、サステナブルな物流の実現を目指すことは、業務効率化や安定的な人員の確保のみならず、企業の社会的価値や社会的存在意義の向上にも繋がり、社会や消費者から選ばれ続ける企業となるために非常に重要な要素になります。

 

現代の社会は、直線経済から循環経済への変化の真っ只中なのかもしれません。「線から円への変換」の過渡期の中で、物流企業もモノを保管して運ぶだけから、モノの企画や製造、販売までの一貫した戦略的なロジスティクスやサプライチェーンへ進化していかなければなりません。

 

「東運輸」は、小口〜大口貨物まで幅広い輸送を得意分野としており、物流企業としての確かな実績とノウハウがあります。

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